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東大卒電通社員の自殺は「周りが悪い」

昨日のニュースから。

日本最大手の広告代理店「電通」に勤務していた女性社員が自殺をしたとのニュース。

 

www.asahi.comhttp://www.asahi.com/articles/ASJB767D9JB7ULFA032.html

高橋さんは東大文学部を卒業後、昨年4月に電通に入社。インターネット広告を担当するデジタル・アカウント部に配属された。代理人弁護士によると、10月以降に業務が大幅に増え、労基署が認定した高橋さんの1カ月(10月9日~11月7日)の時間外労働は約105時間にのぼった。 

 

どうして自殺してしまったのだろうか。

残業が問題ではない、そんなことではない。

周りの影響だと僕は考える。

 

 

 

僕自身の考え方。

僕は仕事人間だ。

僕の父親も仕事人間だった。

そういう家庭で育ったから、残業や休日出勤というものに抵抗は少ない。

それが良いとか、悪いではなく、仕事というもののウエイトは大きいと考えている。

 

 

ニュースの見出しの悪意

このニュースを見出しだけで見たとき

「電通」「女性新入社員」「自殺」「労災」「月105時間の残業」

というキーワードになる。

 

そうすると「月105時間の残業」が変に目立ってしまう。

新潟市民病院の例では「月の残業が251時間」という例もでている。

 

www.outward-matrix.com

また、コンサルティングファームで活躍されているShinさんのブログにも書いてあるが、月105時間の残業は、ビックリするようなことではない。

 

もちろん、本当に105時間だけだったのか。

いわゆるサービス残業や、宴席や、他にも負担があったことと思いますが。

 

仕事の内容によっても違ってくる。

 

楽しい仕事と、神経をすり減らすような仕事。

同じ残業、同じ勤務時間でも、負担が違うことも明らかで、単純に「残業時間」だけで判断できないのだ。

 

 

僕も長時間労働していた

僕が広告代理店の下で働いていたとき。

長時間労働は当たり前だった。

6時の電車で出勤し、帰るのは最終電車。

イベント系の仕事だったので、土日の勤務も当たり前。

「3ヶ月休み無し」とか、当たり前だった。

 

その分、楽しい仕事、貴重な経験をさせてもらったが。

だからといって、それを周りに強制するわけでも、理解してもらいたいわけではない。

 

 

僕は環境に恵まれていただけ

残業時間、勤務時間だけでは判断できない。

僕が毎日、朝から晩まで働いていたときは実家にいた。

前述の通り、父親も仕事人間でとにかく働いていた。

だから、家のことは母親がやってくれていた。

 

僕は実家にいたから、朝から晩まで死ぬ気で働くことができた。

家に帰れば家族が待っている。

温かいご飯が待っている。

ふかふかのバスタオルに、キレイなシャツにパンツがある。

仕事の愚痴も聞いてもらえた。

家には祖母もいた。

「気をつけて行ってくるんだよ」と毎朝声をかけてもらえた。

 

仕事がうまくいかず、疲れもピークだったとき、家に帰って家族に八つ当たりをしてしまったこともあった。

そんなときは、「そんなにガタガタ言うなら辞めてしまえ」と言われたものだ。

仕事を辞めるという選択肢が、いつも目の前にあった。

 

僕は「仕事」という場が、自分で初めて選んだ場所、自分が作った居場所だったから、辞めたくなかった。

周囲の期待、もうちょっと頑張りなさいという声は無く、自分の意思で続けていた。

 

途中、一人暮らしも始めた。

会社の近くで一人暮らしを始めた。

そのときには、仕事とは関係の無い知り合い、友人ができていたので、毎晩の様に一緒にご飯を食べたり、話しをしたりした。

 

年齢層もバラバラで、僕の母親代わりになってくれるような人もいた。

「健康には気をつけなさい」とか「あまり無理しないのよ」といつも気遣ってもらえた。

 

 

孤独が一番の原因

自殺した電通の新入社員は寮に住んでいたそうだ。

会社が借り上げたマンションなのか、昔ながらの社員寮なのかは分からない。

誰か彼女を支えてあげられなかったのだろうか。

 

どんどん疲れた顔になっていったのだろう。

誰か優しい言葉をかけてあげられなかったのだろうか。

 

SNSでSOSを発信していたと報道されていた。

誰か手を差し伸べてあげなかったのだろうか。

 

「郷に入っては郷に従え」という言葉がある。

その会社の仕組み、その部署のルール、そういったものに毎日触れていると、判断が鈍くなる。

当たり前のことが、当たり前でなくなる。

 

それを気付かせてくれるのは、「郷」の外の人であって、その人が引っ張り出してくれないと気付かない。

 

「最近疲れてない??」と言ってくれる人。

「それは間違っている」と言ってくれる人。

「そんなの辞めたらいい」と言ってくれる人。

「その上司はおかしい」と言ってくれる人。

 

そういう人の存在を大事にする、その人たちの声を一度は聞くこと。

そうでないと、自分の置かれている状況が分からなくなってしまう。

 

 

原因は一つではないけれど

過労死の問題。

こんなに残業をさせる会社が悪い。

辞めなかったお前が悪い。

その程度でつぶれているようではダメだ。

上司がもっとまともだったら。

色々な意見が飛び交っているし、どれも間違っているわけではない。

 

でも、どこかで、誰かが手を差し伸べてあげたらと。

 

「東大を卒業して、電通に入社なんて、すごいね!!」と言われたその言葉がプレッシャーだったら。

「これで安泰ね」とでも言われたら、なかなか辞められないのかもしれない。

 

どこかで誰かが暖かく包んであげれば、一緒に話しを聞いて、一緒に涙を流してくれれば。

こういった結果にはなっていなかったのではないかと考えてしまう。

 

24歳の新入社員がどれだけスゴいのか。

東大を卒業したからといって、そんなにスゴいのか。

まだまだ一人じゃ生きていけない人なんてたくさんいるよ。

まだまだ子供だなぁっていうところもたくさんあるよ。

そんなに期待しちゃいけないんだよ、まだまだ子供なところがあるから。

 

 

家に帰ったら家族が待っている。

いつでも話しを聞いてくれる飲み屋がある。

職場以外に、自分の居場所がある。

 

それだけで、気持ちは大きく違う。

100時間の残業があっても、僕はへっちゃらだった。

でも、それは優しく守ってくれる人がいたから。

 

見た目だけの「残業時間」では、何も計れないということ。

それなのに、ソレだけがクローズアップされるのは、本当に残念でならない。