ちゃんとやれ!

副業フリーランサーの飲み屋話

不便を受け入れるところが、始めの一歩なのかもしれない

友人の誘いで、青森県十和田市に行ってきた。

十和田湖や、十和田市現代美術館など、「十和田」という街の名前は知っていたが、具体的に何があるのか、どんなところなのかは知らず。

 

実際に飛行機や新幹線を予約するに際して、色々と不便な場所だということが分かってきた。

新幹線が停まる八戸駅からバスが出ている。十和田観光電鉄の路線バスだ。案内板などには十鉄バスと書いてあることも。

そのバスは1日14本、およそ1時間おきに出ている。

 

それが土日祝日になると半分にまで減少するのだ。十和田市から移動するのにも一苦労なのだ。

しかも、ごくごく一般的な路線バスに1時間20分揺られて。ちょっとした修行じゃないだろうか、と思ったほど。

泊めてもらった住居からは、最寄のバス停まで徒歩25分、なかなかシビれるところだったのだ。

 

市役所や役場、郵便局は近くにあったものの、買い物するのもコンビニに行くのも、それなりに歩かないといけない。 

Wi-Fiがつながるようなカフェはなく、都会の暮らしをそのまま持ってくることは到底できなかった。

 

「郷に入れば郷に従え」ということだろう。

その不便さがデフォルトだと思えば。それを受け入れられるだけの器があれば。不便さに接するところから、一歩が始まるのではないだろうか。

 

夜はとても静か、車の音もほとんどしない。道路も広く、街路樹も生い茂っている。

何よりも空が広いし、生きていることを実感できる。

不便と引き換えに、心身が満たされるできごともたくさんあった。

 

今回、十和田市で2泊したが、そこはお試し移住プロジェクト用の住居だった。普通の家だ。

街にはルートインなどのホテルもある。ホテルの眼の前はバス停にカフェ、コンビニだってある。

 

ホテルに2泊すれば不便さは無くなったかもしれない。無くなったかもしれないが、感じるものは少なかっただろう。

十和田市"らしさ"は得られなかったはず。

 

ちょっと不便でも、納得いかないことがたくさんあっても。その土地の日常に近い部分に接することができたのは、お試し移住プロジェクトの住居だったから。

外に出れば、知らないおばあちゃんが声を掛けてくれたり。近くの公園では子どもが遊んでいたり。スーパーのアルバイトの時給にびっくりしたり。

 

リアルな十和田市をしることができたのは、不便を選んだからだろう。

 

目線や感覚、立ち位置を合わせるために。今までの気持ちは少し置いておいて、不便と向き合うのが面白いのかもしれない。

 

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