ちゃんとやれ!

「ちゃんとやる」ためのトレーニング場

「生きていてよかった」と実感するのは、すごく小さなキッカケだったりする。池内志織さんにもらった勇気。

11月中旬、日本テレビで放送されていたテレビ番組に釘付けになった。

「衝撃のアノ人に会ってみた 2017年秋」

 

何気なく見ていたその番組に出てきたのが、「池内志織さん」だったのだ。

 

人の記憶というのは不思議で、今まで思い出すこともなかったことが、何かをフックにドバドバをあふれ出てくる。

当時の情景、音、匂い、

 

今から18年前、夏。

僕が中学2年生だったころ。

 

夏休みに「岐阜・サマー・サイエンス・スクール in中津川」というイベントに参加した。

岐阜県の中学2年生を中心に、著名な先生の講義を受けたり、実験工作をする宿泊研修。

学校外の仲間とゴハンを食べたり、語り合ったり、悩んだり。

刺激的な経験を終えて帰ってきた。

 

その様子が、地元ニュースの一コマで使われることになる。

ほんの1~2分のことだったが、ワクワクした。

一緒にいた仲間がインタビューされ、それがニュースで放映される。

 

今のようにYouTubeもなかった。

画面の向こうに知り合いがいるのは、新鮮で刺激的だった。

 

 

話は戻って池内さんの話。

ちょうど同じニュースの中に出てきたのが池内志織さんだった。

お父さんが目の病気を患っていたらしく、盲導犬普及のために全国を自転車で回っていたという。

 

夏の暑い日、必死になって自転車を漕いでいるシーンがあまりにも魅力的だった。

 

途中、ある旅館(だったと思う)での出来事。

池内さんが「盲導犬も泊まれますか?」と質問したところ、旅館の女将さんは犬の毛を理由にお断りしている、との返答が。

「もし、盲導犬が服を着ていたらどうですか??」とさらに質問。

 

女将さんもそこまで考えていなかったようで、「考えておくわね」と締めくくられていた。

 

数分の話だったように思う。

そのシーンが頭から離れなかった。

 

小学生、中学生が自転車で全国一周をしていること

現場の生の意見にぶつかりにいっていること

支えてくれる仲間がいること

 

あぁ、世の中にはスゴい人がいるんだなーと。

 

ツイッターがあるわけでもなく、インターネットも携帯電話もまだまだ普及していない18年前、僕は中学生。

 

それ以上の情報を得ることができなかった。

正確には"得ようとしなかった"のだろう。

「できない」と勝手に決めつけ、自分の中に押し込んでしまった。

 

 

18年が過ぎ、テレビで見かけた彼女。

僕が思い続けてきた気持ちを知る人は誰もいないだろう。

彼女の話をしたところで、何人の人が分かってくれるか不明だ。

 

ただ僕の人生の中では、大きなポイントになっていた。

学習合宿に参加し終わったあとで、テンションが上がっていた、意識が高くなっていた。

そのことが放映されるニュースだからと、真剣に構えていた。

自転車やサイクリングが好きだった。

 

それを一気に詰め合わせた状態での彼女のニュース。

過去の気持ちを持ち続けていることは、なんとも言えない不安が襲ってくる。

 

孤独の世界に押しやられたような、不安定な状況。

それが解き放たれる瞬間があるとすれば、過去のそれを共有できる人や理解してくれる人が見つかったとき。

 

今は無い駄菓子屋さんの話で盛り上がれたり、修学旅行での失敗を笑ってくれるような人。

その対象物が現在もあればいいが、無くなってしまった場合は共有が難しい。

物質的に無くならなくても、枠の外に行ってしまった場合も同様だ。

 

 

今回、18年ぶりに画面の向こうで彼女と再会することができた。

別に彼女の友人でもなければ、親戚でもない。

 

ただ一瞬、ニュースの中で見ただけ、ただそれだけの人だ。

ただそれだけの人なのに、僕は心を奪われていた。

カッコイイ、素敵、憧れる、スゴい

 

その後、僕は何か行動を起こしただろうか。

いつもと同じ、毎日が平凡で変わらない。

 

所詮そんなものかもしれないけれど、18年ぶりの再会は生きる勇気を与えてくれた。

大げさに聞こえるかもしれないが、切り札として持っていたカードを使える瞬間のような。

こんな素晴らしい人をもう一度見ることができたとしたら、今日まで生きていてよかったな。と。

 

 

数年ぶり、十数年ぶりの"何か"が多くなってきている。

それだけ「生きてきた」ということ。

 

「死んでしまえ」と思うこともあったけれど、今日も生きていられることに感謝するわけです。

 

生きていてよかった、素敵な縁を結び付けてくれてよかった。

生きていると何があるかわからない。

 

毎日を、本当に大切に生きていく、純度高く生きていくことを誓ったのだった。

 

世の中への扉 盲導犬サーブ

世の中への扉 盲導犬サーブ