パソコンが普及して、スマホが普及して、世の中は大きく変わった。
インターネットのおかげで、世界がこんなに身近になるなんて、考えることができなかっただろう。
最近では、3Dプリンタが身近になり、多くのクリエイティブな作品が登場している。
難しい形の加工も、パソコンを操作すれば簡単に創ることができる。
旋盤技術や、修行なんていらない。
3Dデータを、ちょいちょいと加工してボタンを押せば、それで完成だ。
世の中が大きく変わったせいで、高度な技術が必要なくなった。
力作業も機械がやってくれる。
遠くへの移動も、新幹線に飛行機に、自分が早く走る必要がなくなった。
世の中に素敵な技術が溢れているせいで、技術力が無くても次のステップへ進めるようになった。
特に「パソコン」を通して、インターネットを通して多くのことに、容易にチャレンジできるようになった。
さて、色々なモノの障壁が低くなったことで「できる人」と「できない人」の差が激しくなっていると僕は思っている。
例えば自動車免許を持っている人は、クルマを運転することができる。
簡単に遠くまでいけるし、好きな時に出掛けることができる。
例えばパソコンを使える人は、そのパソコンを通して多くモノをクリエイトすることができるし、世に伝えることができる。
パソコンを使えない人は色々と苦労されているのだろう。
その先に待っているものは、その技術やスキルを、どこまで活かせることができるのか。
その先というのは技術やスキルではなく、強い思いなのだろう。
自分はこんな能力があるから、これを創りたい。とか。
参入が容易になった分、そこへの強いこだわりも思いも無くなってきている気がする。
選択肢が多いからか、やりたいことがたくさんあるからか、目移りしてしまう。
まぁ、これがダメでも、次があるから大丈夫大丈夫。
そういう軽い気持ちで始められるのも事実だが、その軽い気持ちだからこそ、実にならないことも多い。
イラストレーターになりたい友だちがいる。
最近は高価な画材を買わなくても、ソフト一つあればなんとかなる。
初期投資にお金がかからないことはいいこと。
それでハードルが下がるのもいいこと。
だけど、そこに思いがないとさ、良いものは創れない。
それで良いものが創れるなら、それは天性の才能だ。
天性の才能って、そんなにたくさんの人に与えられていないんだよ。
だから、強い気持ちでやりきるんだろうけどね。
障壁が少ないからさ、強い気持ちもないのかもしれない。
ネットで○○始めました。という人。
もっと頑張ったほうがいいと思う人もたくさんいる。
もっと頑張れば、もっと真剣になれば、成功するんだろうなぁって思う人がたくさんいる。
技術がいらないから、誰でもすぐに始められるからこそ。
スタート地点を高めに設定しないと、素人の波に溺れていくだけなのかもしれない。