前の会社にいた時のこと。
そこの会社には色んな働き方をしている人がいた。
- 社員やアルバイトなど、その会社に雇用されている人
- 派遣社員として働いている人
- 業務委託で参加している取引先
- フリーランスで業務請負している人
みんなで仲良くワイワイやっているもののお互いの立場は違うし、指揮命令系統も違う。
業務上では線を引いていても、お昼時は一緒にランチに行ったり、業務後に飲みに行ったりと。
特に不満もなく回っていた会社だった。
僕はその会社に雇われていたのだが。
ある時、請負できていたフリーランスの人に「乾電池無いですか?」と言われた。
庶務の仕事もしていたので、備品の電池を渡した。
その様子を上司がこっそりみていたらしい。
別の日、その上司とランチに行った。
その場で言われたことは「アイツはセンスがない」ということだった。
あの乾電池を探してたフリーランスの彼。
詳しく話を聞いてみると。
アイツはフリーランスとして働くセンスがない。
この前、乾電池をもらいにきただろ??
その電池を何に使っていたのか。
彼自身が持ち込んでいるパソコンのマウスに使っていた。
フリーランスや業務委託というのは、自分のことは自分で面倒みなきゃいけない。
乾電池1本を用意できない彼、それを平気でもらいにくるところ。
フリーランスとしては、スマートじゃない。
こちらが用意した機材の電池ならまだしも、彼が持ち込んでいる彼の仕事道具。
普段から仲良くしているからか、自分自身の看板を背負っていることを忘れてしまったんだろう。
とのことだった。
確かに、自社の社員であれば話は別。
社員(アルバイト等含む)労働力の提供だから、パソコンや文房具や色んなモノを会社が提供してくれる。
派遣社員も同じく、労働力の提供だから備品は会社が用意しなければいけない。
業務委託や請負はどうだろうか。
専用の機器であれば、会社で用意することもあるが。
通常は納品物ができればOKなので、道具については関与しない。
そんな中、フリーランスの彼は、マウスの電池が無くなったからと「電池ありますか??」ともらいにきたわけだ。
自分の道具を自分で管理できない。
上司曰く
人としては素敵な人だから、友人関係ではいられる存在だけど、業務を頼む、仕事をお願いするとしたら、躊躇してしまう。
30歳を超えたフリーランスが、あんな感じだと不安なんだよ。
もしセンスのあるフリーランスだったとして、どうしても急ぎで電池が欲しいなら、次の日には現物で返しにくるだろう。
それが無いということは、業務上での線引きがうまくできていないということ。
とのことだった。
マウスに使う電池は単4電池。
4本100円で売っている、とすれば。
25円で彼は信用を失ってしまったのだろう。
また、それに気付いていないなら、あまり明るい未来ではない。
大きな失敗であれば、自分自身で気を付けることができるけれど、そもそも失敗に気付いていないのだから。
知らない間に周囲の人がいなくなっているだけ。
小さいことほど怖い、自分の看板を背負うということは、本当に神経を使うものだ。