アパートの目の前に郵便ポストがある。
投函口が2つに分かれた少し大きめのポストがある。
先日、そのポストが新しくなっていた。ポストを見て気付いたのではなく、地面を見て気付いたのだ。真新しいコンクリートの地面になっていたからだ。
前を向いて歩くより、下を向いて歩くのか。と思った。
少し深みのある赤、コンクリート同様の真新しいポストが鎮座している。
たまには手紙を書いてみたいな、と思わせてくれた。
20年ほど前。僕がまだ中学生だったころ。スマホも無ければツイッターもない。
遠くの友達とはパソコンでメールを送り合っていた。2~3日に1回メールがあればいいほうだった。
パソコンを持っていない友人には手紙のやり取りをしていた。
文房具屋さんに便せんを買いに行ったり、大きな郵便局に記念切手を買いに行ったりしたものだ。
書く前の準備があり、実際に手紙を書き、ポストに投函して、相手に届く、そして読んでもらう。
のんびりとした時間の流れが、わくわくさせてくれたものだ。
チャットサービスやSNSのスピード感を楽しむ一方で、手紙というものが日本全国を飛び回っている様は、良いバランスではないだろうか。
たまには時間を作って、手紙を書いてみたいと思うのだ。
じっくりと相手のことを考えられる、そんな気がしているから。
突然届く手紙も、すごく嬉しいから。たまには手紙を書いてみようと思った。
あの新しいポストに思いを託してみよう。