的確に伝えることが目的じゃないなら。
ふわっと、判断を相手に任せるような言葉でいいと思う。
「小学生のころ、縁側で食べたスイカが美味しかったな」なんていうフレーズは、個々の思い出にマッチするものがあれば、それを思い浮かべてくれたらいい。
的確に伝えなければいけないとき。できるだけ具体的な、できるだけピッタリとした表現をしてほしいもの。
「画面の上のほうが表示されなくなってしまって」と言われて確認したら、上2/3が表示されていなかった。
そこはふんわり表現しちゃダメだ。
感想文ならいいのだけど、報告書ならダメなのだ。
報告のような文章を受け取ったら、僕の頭の中ではアイロン掛けが始まる。
パリっとしたワイシャツのように、受け取った文章を頭の中に並べる。
混じりけ無く、邪推も憶測もしない。まずは丁寧にそれを受け取りたいから。
そうすると、ほころびやシミが見つかるので、手直しをする。
少しだけ頭の中で補完しながら、相手の言いたいことを読み解く。
意外と疲れるのだ。報告書を読むということは。
明日もまたアイロン掛けをしなくてはいけない。
ほつれ、テカリ、汚れがないように。的確に伝わる日本語を待っていたい。