久しぶりにはてなのお題をやってみる。
今週のお題「わたしと乗り物」
乗り物というものは難しい。
遠くへ連れて行ってくれるけど、その間はじっとしていなきゃいけない。
それが、遠くになればなるほど顕著だ。
飛行機にいたってはシートベルトを着用しなければいけない。
各駅停車の電車は次の駅で降りることができるけれど、のぞみ号に乗ると、名古屋の次は新横浜。300km以上も降りることができない。
そうやって乗り物は僕を拘束してくれる。
限られたスペースで過ごさなければならないのだ。
不自由さを目の前にして、何ができるだろうか。
と考えると、自分と対話することくらいしかできない。
窓の外を流れる風景を見ながら、自分のことを考えてみる。
ちょっと考えすぎたと思えば、目を瞑って休んでみる。
絶妙な不自由さと、目的地へ向かう楽しみ、自宅に帰る名残惜しさ。
それらが入り交じるのは、乗り物に乗っているとき。
通勤列車から見る見慣れた光景、年1回の里帰りの思い出。
そこに飛び出したいと思えど、不自由さが僕をなだめてくれる。
少し早めに着いて、出発を待っている間。慣れない飛行機で空港に2時間前についてしまったとき。
定時運行が当たり前になってしまった乗り物だからこそ、自分から歩み寄ることもできる。
遠くまで運んでくれる乗り物は、僕自身の気持ちも少し遠いところに運んでくれる。
少し遠いところから自分を見ること、少し遠い目線で窓の外を見ること。
それが自分と向き合う時間を作ってくれる。
「生きることは動くこと」というテーマを掲げて、あれこれ乗り物にはお世話になってきたけれど。
その度に、自分を見つめ直すことができるから。旅の魅力は目的地ではなく、その道中にあるのかもしれない。