ふと気になる記事をはてなで見つけた。
ライブハウスの店長さんのブログっぽい。
音源を持ち込むときはCDにしとけよーー。
iPhoneやウォークマンだと大変だぞーー(お互いに)
というような内容。
これを読んでいたら、あぁ僕も音響マンだったなーと、ふと昔のことを思い出したのだ。
イベントでの音響。
ショッピングセンターなどで開催されるミニライブや、文化教室の発表会、お祭りの音響をやっていた。
本職のそれを頼むほどではないイベント、かつ予算が無いイベントのときは、僕が担当していた。
有名アーティストのアコースティックライブなどのときは、本職の音響さんを発注していた。
そのアシスタントを僕がやることで、お値打ちな費用にして頂いたのも良い思い出。
今から10年以上も前のこと。
ライブや発表会、SEの音源は何を使っていたか。
CDとMDとカセットテープがメインだった。
ミニライブをする路上バンドマンなどは、CDでの持ち込みが多かった。
文化教室の発表会はカセットテープがメインだった。
あとは時々MD、たまーにiPod。
そのときに、本職の人に言われたのは
「カセットテープ、すげぇよ」ということ。
当時はCD、MDが勢力を伸ばしていた時代。
そんな中で一番安定しているのがカセットテープだということ。
家庭で音楽を聴くのであれば、CDのほうがいい音が出るかもしれない。
MDのほうが操作性が抜群にいいかもしれない。
でも、音響の現場で求めているのは、"ちゃんと音が出る"こと。
音が多少悪くてもいい、ステレオかモノラルか、音のバランスが多少違ってもいい。
とにかく音が出る、最後まで鳴り続けてくれることが大事だということ。
お祭り会場での音響のとき、地区の役員さんからカセットテープを30本くらい預かった。
「これで踊るからよろしくな!!」と。
年季の入ったカセットテープ、決して音質は良くない。
LRのチャンネルの一方が抜けて録音されたようなテープもある。
が、最後までしっかりと鳴ってくれた、振動で音が飛ぶこともなく、
とりあえずイベントは大成功、音響も大成功。
これが程度の悪いCDだったらどうだろうか。
販売しているCDならいいが、CD-Rとして焼いてもらったものなら。
当時は粗悪なCD-Rもたくさん出回っていた。
それに対応していないデッキもたくさんあった。
途中でCDが読めなくなったり、音飛びしたり。
今振り返ると、苦い思い出がたくさんあった。
MDもしかり。
読み取れないこともあったし、曲が再生できないこともあった。
そういう意味で、やっぱりカセットテープは最高だった。
今はCDプレーヤーも発達し、きちんと読み込めるものが増えたのだろう。
普通に再生しているつもりでも、何秒間分をバッファして事故が起こらないようにしてくれる。
うまくデジタルで処理してくれる機材も増えた。
カセットテープから、CDへ。
この先はどうなっていくのか分からないけど、預かった音源を流すときは気を遣うもの。
再生を押してから音楽が鳴り始めるまでのわずかな時間は本当に緊張する。
音楽が間違っていないか、ちゃんと再生されるか、ボリュームは適当か。
音楽が鳴り出したら、最後まで流れてくれるように祈るだけ。
途中で0.1秒でも止まったりしたら、すごく不自然な音楽に聞こえてしまう。
緊張が絶えない仕事だった。
音楽でライブ会場に来たお客さんを楽しませたいなら。
ブログにもあったとおり、四谷アウトブレイクさんを使うときはCDで音源を持ち込もう。
僕だったら、違うメーカーのCD-Rを用意して、予備を1枚は用意する。
本当に少ない確立だけど、相性が悪いときがあるから。
もっと言えば、カセットテープ、MDなど、用意できるものは全部用意しておく。
それでもやっぱり不安になるものだ。
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