時間を止めるような作品を作りたい。
真剣なモノ、真剣な眼差し、そういったものをどれだけ見てきただろうか。
その作品が真剣かどうか、それは受け手の時間が止まるかどうかだ。
時間が止まる時、人で言えば呼吸が止まるとき。
そんな作品にどれだけ出会えるだろうか。
一目見た瞬間に息が止まる。
吸い込まれていく。
心が締め付けられる。
そんなモノに出会いたい。
とりわけ、僕は写真が好きだ。
だから写真から感じるモノを大事にしている。
Instagram、ツイッター、ブログにアップされている写真。
息が止まるような作品には、なかなか出会えない。
そういう真剣な写真に出会えなくても、微笑ましいもの、暖かいものには出会える。
特に人がターゲットになっている写真、それもすごく自然なものほど、人間としての暖かさ、温度が伝わってくる。
ペットの写真や料理の写真。
そういったものにも、強く惹かれるものがある。
が、料理の写真については、残念な写真も多い。
「料理をしました」という写真。
作った料理が写っている写真。
プロに近い人が作っても、ハレの日の料理ではなく「ケの日」の料理だからか、しまりがない写真が多い。
本当はおいしいんだろうな。
と思ってはみるものの、手抜き感が伝わってくるものは、残念な気持ちにさせる。
息をのむような素敵なもの。
ため息が出るような残念なもの。
同じようにカメラを構えてできた作品なのだろうか。
チャンスはそこらへんに転がっている。
それをどれだけ活かすことができるか、それがこの先の大きな違いになる。
その一つの作品、モノに対して、どれだけ真剣に取り組むことができるか。
全神経を集中させて、一つの作品を作り上げることができるのか。
シャッターを切るときに、息が止まっているくらい集中している時がある。
そういった写真は、空気が止まっているように写る。
笑ってとった写真には、笑顔がついてくる。
写真には、カメラマンが写らないのに(鏡の前など、例外はあるが)
その人を映し出してくれているような作品になる。
息が止まるくらいの素敵な写真、素敵な作品。
そういったモノにたくさん出会いたい。
本当に息が止まる、足も止まる、時間も止まる。
作品を見たときに、その作品と自分だけ、その空間に作品と自分だけ。
そんな瞬間がくる。
音も聞こえない、視界も狭まり、ピタっと止まる。
息が止まっていることに気付かなくて、苦しくなってくる。
その苦しみと、作品から伝わってくる苦しみ、張り詰めた空気が混ざり合う。
それを超えたとき、ようやく現実に戻ってくることができる。
時間を止めることは難しい。
ドラえもんの道具でもあれば別だが。
ただ、そこに真剣な作品があれば。
時間を止めることができる。
時間をまで操れるような、そんな作品を作っていきたい。
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