作曲家ジョン・ケージの代表作に「4分33秒」がある。
この曲は楽器を鳴らすことなく、無音の状態を聴く曲だ。
楽器が鳴らない、音を出さない状態であっても、観客には何かしらの音が聞こえる。
それも曲の一部なのだ、というようなニュアンスなのだろう。
文章でも同じことを感じたい。
間を感じられるような文章を表現したい。
たまに極めて強力な矢が飛んでくることがある。悪意はなく、しかも的確。的の星に一直線、そんな言葉の矢が飛んでくる。
感動することもあるし、悔しいこともある。何も言えなくなることだってある。
フリーズしてしまう。
そのフリーズしている時間を、無言の言葉だと捉えてほしい。
短ければ"間"というが、その間が長くなれば、間としては不自然になり、沈黙になる。
会話をしていたら、気まずい空気になる。が、その気まずい空気や無言の時間を感じられるように。
"無"をないがしろにしないで、きっちりと正面から向き合っていきたい。