どこかで聞いた話は、人生にそんなに役に立たなくても記憶に残っていることがある。
節分の日にイワシとヒイラギ。
詳しい理由や言い伝えは知らないけれど、人生の中で聞いたことがある話。
それも、ずいぶんと小さなころの記憶。
何がきっかけだったか分からないけれど、小さな記憶として残っている。
いや、どこかで記憶が書き換えられた可能性は否定できないけれど。
それでも、そうやって記憶にあるということは、何かしらの印象が強かったのかもしれない。
周囲の誰かが教えてくれたから。
そういう仲間が周囲にいたから、今の自分があるのだろう、と。
大人になると節分なんてどうでもよくて、スーパーに売っている恵方巻きが半額になるくらいしか、面白さはない。
けれど、やっぱりそこには節分が存在して、昔からの言い伝えやしきたりみたいなものが存在しているのだろう。