ちゃんとやれ!

副業フリーランサーの飲み屋話

ブラック企業の洗脳研修は、意外と気持ちよかった

こんにちわ、スズキ(@acogale)です。

新社会人の皆さまは、会社に慣れてきたころでしょうか。

研修といいながら、どこかのホテルに泊まっているかもしれません。

現場を覚えろと、先輩についてOJTしているところかもしれません。

 

僕が高校を卒業して入った会社は、10人にも満たない会社でした。

研修なんていう仕組みもなく、分からないことだらけで。

でも先輩が親切丁寧に教えてくれたので、スキルアップすることができたんですね。

 

ただ、どこかで不完全燃焼でした。

もっと上を目指したいなぁと、漠然と思いながら転職活動を。

次に選んだのは投資関係のスパルタ会社でした。

 

ブラックな会社へ

今で言う「ブラック企業」への転職。

転職する時点で、ブラックだということは知っていたので、ビックリすることは無かった。

絵に描いたような会社で、体育会系、成績が全て、社訓の唱和など、2chに書いてあったようなことが目の前で起こっていたんです。

 

働き出して半月ほど経ったとき、集合研修へ来るように上司に言われました。

 

3泊4日の宿泊研修

同時期に入った社員を集めての集合研修。

20人ほどのメンバーが全国からやってきました。

当時25歳の僕が最年少だったんですね。

周りは年上のお兄さん、おじちゃんばかりでした。

 

こういった集合研修は初めてだったので、不安でいっぱいでした。

ガラケーの電波状況も悪く、うまくつながらない場所。

施設の目の前にあった大きな山に、雪がかぶっていたのが印象的でした。

 

 

カリキュラム

実際に商品知識の研修以外に何があったのか。

  • 早朝ウォーキング
  • ラジオ体操
  • 社訓の読み上げ
  • 12時間の研修+グループ学習
  • 大声でのあいさつ
  • トイレ掃除
  • 自分の人生を振り返る
  • 詩の朗読

冷静に考えると、ヤバい内容ですね。

ブラック企業のテンプレート通りな感じです。

 

頭のストッパー

初日は辛かったです。

「なんでこんなことやってるんだろう」って。

先が見えない研修の印象がありました。

 

ただ、あまりにもできないのは悔しい。

大きな声であいさつする、キビキビと動く。

そのくらいはできるんじゃないか。

と思うタイミングがありました。

 

「バカの壁を取っ払う」みたいな。

恥ずかしいとか、照れるとか気にせずに、大きな声を出す。

とびきりの笑顔で挨拶をする。

それができると、めっちゃ褒めてもらえる。

 

頭のストッパーが外れる瞬間がくるんです。

 

 

否定されることは少なかった

圧迫研修のような部分はあったけれど、否定されることは少なかったのが良かった。

「クズだ」「お前なんかいらない」とか、そういう頭ごなしに否定されなかった。

「もっと大きな声で」「もっとできるだろ」と厳しく指導してもらったのは覚えてる。

 

そのあとに褒められる。

褒められたときの安心感。

あぁ、頑張ってよかったなぁって。

 

どこかで研修を否定していた自分が変わっていくのを感じていた。

なんだこれ、楽しいじゃんか。って

 

指導されることが嬉しい

25歳にもなると、細やかに指導してもらえることもない。

だから一つ一つ、見てもらい、注意してもらい、褒めてもらう。

このサイクルが嬉しかった。

 

相手は研修のプロだから、受講者をうまく転がしているのだろう。

それにまんまとハマってしまったのだ。

 

3泊4日でよかった

気持ちがプラスにもマイナスにも動く3泊4日だった。

最後のほうは快感もあった。

「オレってやればできるじゃん」って。

 

上手にバランスがとれたから、自分のことを冷静に見ることができた。

研修に真正面から向き合えなかったから、斜に構えているところがあったから、少しは自分のことを見ることができた。

 

バランスをとるのが苦手で、真面目に思う人だったら、ガッツリと吸い込まれていっただろう。

奈落の底へ落されたような気持ちになったのかもしれません。

逆にとっても優しく包まれていたかもしれません。

 

依存する

そうなると、どうなるか。

会社に依存するようになる。

「僕がいなきゃダメなんだ」

「あんなに良くしてもらったから頑張ろう」

 

研修後も、講師からメールが届いたり電話がきたり。

うまく転がされていたんですね。

 

そのちょっと手前、最高に気持ちいい

まさに洗脳されていたのかもしれません。

小さな成長がたくさんある。

与えられた課題をクリアしたという成長。

 

内容は、大きな声、笑顔、キビキビした動作、全力でやる、熱意、情熱。

それを演じられるかどうか。

 

演じているうちに「あれ、これが本当のオレじゃん??」と思うようになる。

洗脳の始まり。

 

でも、それってすごく気持ちがいい。

アドレナリンがどばどば出ている感覚。

「もう一度参加しろ」と言われても、抵抗なく参加してしまうだろう。

 

辞めたから笑い話

その研修後、1年ほどで退職した。

精神が病む前に辞めることができた。

 

ブラックな会社にハマりやすい人、そうでない人。

 

僕の場合は前者だろう。

異様な空気が好きだったり、追われることに抵抗がないから。

 

一歩間違えると、蝕まれる。

振り返るとギリギリな場所にいたのかもしれない。

今だから笑い話。

笑える人生になってよかった。

 

研修中は気付かないんだよ。

一度経験してみないと。

周りから見たら不思議かもしれないけど、そういう研修は気持ちいい。

だから余計に抜けられなくなる。

 

友人、家族は大丈夫ですか。

ブラック企業の洗脳研修、めっちゃ気持ちいいんですよ。

 

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