仕事は自ら作るべきで、与えられるべきではない
広告代理店 電通の電通鬼十訓はこの言葉から始まる。
広告代理店という立場では、仕事は作っていかなきゃいけないのだろうか。新しいニーズを切り開いていかないとダメなのだろうか。
言われるままに仕事をするのではなく、自分で旗を振っていけ、ということなのだろうか。
これは電通だから当てはまるのだろうか。
「仕事を自ら作る」ことに価値を感じたのは、ここ最近のこと。
仕事を自ら作る人と、仕事を与えられている人とでは、一体何が違うのだろうか。
現在、担当している業務は運用業務なので、どちらかといえば後者の業務。
フローに従って、漏れの無いように業務をこなしていく。
この業務はすこぶる面白くない。言われたことをやるだけ。業務を与えられているだけ。
決まったフローがあり、順を追って作業していくだけ。
自分でコントロールする範囲が極めて少ない。
もちろん自分のやり方、自分のやりやすい方法にぴったりマッチしていれば話は別だが、そんなことは全くない。
無駄なファイルのやり取り、チェック項目、数値の確認。
エクセルの関数を使ったら5分で終わるのに、目検で値を拾っている。
でも、残念ながらそれがフローとして決まっていると、その通りになってしまうのだ。
そんな窮屈な場にいるのは嫌だな、と思ったときに気付いたのは、自分で整えてしまえばいい、ということ。
誰かに言われるのではなく、自分で作ってしまえばいい。
そうすることで、自分カラーのものをルールとして用意できるから。
「仕事は自ら作るべき」が大切だと思ってから、2つのメリットが生まれた。
一つ目は、既に気持ちが準備状態であること。2つ目は、イニシアチブを取れること。
与えられる仕事は、与えるタイミングも相手次第になる。
こちらの準備ができているかどうか別にして、突然やってくることが多い。自分をそこに合わせにいかないといけない。
一方で、自ら作っている仕事は、既にその案件のことを深く考えている自分がいるのだ。
暖機運転が終わっているところ、いつでも走り出せる準備が自ずとできているので、一気に成果を積みやすい。
また、そのタイミングを自分でコントロールできるのもいいところ。イニシアチブを取ることで、コントロールの権限を握ることができる。
他の業務の兼ね合いなどを考えてリリース時期を調整したり、業務バランスを調整することもできる。
まるで世の中を自分がコントロールしているみたいに上手くいく。
こんなことやりたい、来月からは手が空きそうだ、そんなことを考えながら、仕事を作っていくことで、自分自身をちょうどいい場所にコントロールできる。
この「作る」か「与えられる」か、という差は、本当に小さいものだ。
ほんのちょっと、半歩前を歩いているかどうか、の違いにしか思えない。
この差に気付いて、少し先の未来を見るのか。ただただ与えられたものを見るのか。
見える世界は大きく変わった。