ちゃんとやれ!

副業フリーランサーの飲み屋話

偶然を呼び寄せるだけのパワーが欲しい。

おはようございます。すずきです。

最近、よくヒッチハイクしている人を見かけますね。

春休みシーズンで、エンジョイしている人が多いんでしょうね。

僕も遠くに行ってみたいなぁ。

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そういえば先日、東京に行ったときのこと。

駅がでかいよね。さすが東京駅だね、どれだけ電車走ってるんだよ。

人の多さに興奮しながら目的のホームまで歩く。

 

正面から歩いてきた女の子。同い年くらいだろうか。

人混みの中だったけれど、偶然目が合った。

その瞬間に、周りの音が消えた。騒がしいはずなのに。

 

お互いにそこから一歩も動けなくなっちゃってさ。

人って驚くと声が出ないんだよね。ほんとに。

その女の子なんてさ、声より先に涙が出てるの。

 

なんだろう、まさかこんなところで、偶然出会えるなんて

思っていなかったから、頭がパニックだよ。

あの頃は、言いたいことがたくさんあったのに、

伝えたいこともたくさんあったのに、大事なことがあるのに。

 

ようやく我に返って改めて顔を見た。やっぱりあの子だ。

 

10年も前のことだけど、鮮明に、本当つい最近のことのように

記憶が蘇ってくる。

暑かった夏休みのこと、セミがけたたましく鳴いていたこと、

緑の匂いで満たされていたこと。

 

過去のことで満たされながら、ようやく出た言葉は

「元気?」

だった。

 

「ええ、あなたは??」

「オレも元気だよ」

 

そこから会話が続かない、というか次の一声が出てこない。

しばらくして彼女が、涙を拭って、時計を見て、

「あ、あたし行かなきゃ」

って。走り去って行った。

 

数秒の沈黙だったかな。こんなに長いものなんだろうか。

こんなに緊張したことあったかな。入社の面接以来かな。

何年経っても根性無しだったな。

言いたいことが言えなかった。聞きたいことが聞けなかった。

 

学生時代に君と知り合えて、君に出会ったことが嬉しくてね、

そのあとも、君のことを考えることが何度もあったよ。

頭が良くて、いつも学年で一番だったよね。

特に歴史が得意だったよね。図書館でよく本を読んでいたこと。

僕が宿題を忘れたとき、こっそりノートを見せてくれたこと、

 

あまり周りとワイワイ話すわけでもなく、

少し大人びた雰囲気が、すごく魅力的だった。

いつも一生懸命だった横顔も、好きで好きでたまらなかった。

 

なんでだろう、昔のことがどんどん溢れてくる。

その気持ちをぶつければよかった、何度後悔すればいいんだろうか。

根性無し、意気地無し、そんな自分はまっぴらごめんだ。

 

大人になるにつれて、成長していると思ったのになぁ、

言いたいことが言えないのは、昔のままだった。昔と変わらなかった。

あの子も変わってなかったなぁ。

次に会ったときには、って決めていたのにな。

あまりに突然すぎて、何もできなかった。準備不足だ。

 

もう一度偶然って起きるかな。

毎日毎日、良いことしたら偶然がやってくるかな。

毎日毎日、神様にお願いしたら偶然ってやってくるのかな。

 

偶然は必然だ。とか言っていたヤツが友達にいたけど、

そんなことはどっちでもいいんだ。偶然でも必然でも、

もう一度、彼女に会いたいんだ。想いを伝えたい。

「好き」って言うだけなのに、こんなに辛いものなの?

 

でも、「好き」っていう言葉は、君のために。

この気持ちで偶然を、もう一度呼び寄せたい。

 

 

 

フィクションなんですけどね。