世の中、便利になりました。
自動車が発達し、インターネットが発達し。
とにかく便利な世の中です。
そのおかげで、ずいぶんつまらなくなりました。
面白くない。
世の中の便利さを享受するのに、2通りのパターンがあります。
時代が僕らを便利にしてくれた。
これは、スマホが身近なものになったり、技術の進歩があったり。
もう一つは僕が大人になったから。
色々と制限されていたことが自由になったから。
クルマを運転できるようになったり、自由なお金で買い物ができたり。
でも、便利ってのは、つまらなくするんですよ。
刺激がなくなる。
バスに乗って会社に行く。
この行為がつまらない。
歩かなくていいんだけれど、つまらない。
あの有名な「やぎろぐ」にも書いてありました。
大企業に就職するということは、舗装された道路を、沢山の人が乗っているバスの1座席に座って行くようなもの。
それで時々事故ったら「やべ、事故っちゃった。他のバスに乗り換えてもらってもいい?」と言われ、また別のバスに乗り込む。
なんか、あんまり楽しそうじゃない。
それよりも徒歩からスタートして、ママチャリを買い、マウンテンバイクに乗り換えて、お金が溜まったら車を購入して、最終的にはバスの運転手になる方がワクワクする。あわよくば飛行機も買っちゃおう。
就職するか、フリーになるか。
といった記事の一節だが。
便利になるとつまらないんです。
毎朝のバスで、同じようなことを感じます。
ほどよく冷房も暖房も効いていて。
雨にも濡れず、向かい風からも守ってくれる。
安全な毎日って楽しいですか??
どこかで「生きている」という実感が欲しくて、ちょっと不便なことをしたい。
暑い日に、暑いところにいると、「あぁ生きているんだなぁ」って感じる。
遠いところに住む友人に会いに行くことで、「あぁ同じ時間を共有しているんだなぁ」って思う。
電話でも、LINEでも同じなんだろうけど、不便さが混じると、とたんにレベルがアップする。
便利になると、特にコストがかからなくなると、手が出しやすくなる。
ありがたみ、感謝、強い気持ち、そんなのは必要なくなる。
感情がどんどん無くなっていき、均衡してくる。
それが便利の行き着くところなのだろう。
みんなロボットになっちまうぜ。
不便、苦労、そういうものが、自分のよいエッセンスになるのではないかと。
苦労話っていくらでもできるじゃないか。
そうやって記憶にはしっかりと刻み込まれているんです。
もうちょっと不便な世の中ってのも、楽しいんだろうなぁ。
毎日が、平凡で、平坦で、無機質で、だんだんつまらなくなっているんですよね。