こんにちは、スズキです。
最近、人の話を聞く機会をたくさん頂きます。
対談、講演会、発表会などなど。
スタイルは色々あるものの、前の方で人が話をすることは違いない。
さて、その中でのトークセッションの話です。
トークセッション、対談に行ったとき
ほとんどの場合が、真ん中にテーブルがあり、右と左に椅子がある。
どちらの椅子に座る人も主役のトークセッションに行くことが多かった。
例えば21_21デザインサイトで開催されていた「デザインの解剖展」
そこのディレクター 佐藤卓氏とゲストの誰か。
僕が行ったときには、茂木健一郎先生や養老孟司先生がゲストだった。
この場合、佐藤卓さんも、茂木健一郎さんも、僕の中では主役なのだ。
展覧会会場で開催されたそのトークセッション。
そこで展示してあるモノについて、ディレクターである佐藤卓さんから話を聞きたい。
また、ゲストである茂木健一郎さんからも、話を聞きたい。
そういう主役×主役のトークセッションが多かった。
講演会の場合
「○○大先生」のような人が話す講演会。
30分、1時間程度、その人が単独でしゃべる。
多少の拍手や笑いが会場から聞こえてくるだけで、登壇者がずっとしゃべり続けている。
会場の空気、客層、時事ネタ。
そういったものを念入りに準備されるのだろう。
「こんなにも引き出しがあるのか」と驚きっぱなしのことも多いのだ。
先日のトークセッション
アナザーライフというwebサイトをご存知だろうか。
一日だけ、他の誰かの人生を体験できるサービス
これをコンセプトに、インタビュー記事を多数掲載しているサイトだ。
最近では、「Sunday Morning Cafe 〜あなたの未来を変える生き方〜」と題し、日曜日の朝に渋谷のブックカフェでリアルイベントをされている。
そのイベントでの話
今回のゲストは三浦崇宏氏。
その相手役にはアナザーライフを運営している株式会社ドットライフの新條隼人氏。
心地よい二人のトークセッション。
ゲストの三浦氏は、広告代理店に勤務されていたとのこと。
コンペなど、人前で話す機会が多かったようで、トークにどんどん引き込まれていった。
気になるのは、トークセッションの相手役、新條氏。
事前準備があったとしても、トークの展開がスムーズなのだ。
心地よいテンポで、ゲストの引き出しを順番に開いてくれる。
「そこ、もうちょっと知りたい」と思えば、自然とその話題を、より深いところから引っ張ってきてくれる。
そのクオリティはどこから出てくるのか、少し話を伺うことができた。
相手を気に掛けること
「簡単に言えば、相手のことを考えてあげること」
それが大事だと説明してくれた。
相手が話したいと思うこと、相手の強み、その人らしさや、伝わってくるもの。
そういったものを考えながら、引き出しを開けてあげることが大事とのこと。
自分だけが暴走してはいけない、相手があっての自分自身ということなのだろう。
それにプラスして、こんなことも教えて頂いた。
「僕の相手は一人じゃない」
アナザーライフというサイト。
ご覧になったらわかると思うが、多くのインタビュー記事が掲載されている。
そのインタビュアーをされているのも、この新條氏なのだ。
だから、相手から面白い話題を引き出すことは慣れていらっしゃるのだろう。
「自分の頭に、はてなが浮かんだら、もうちょっと詳しく聞くんだよ」
そうしないと記事がキレイに仕上がらないのだという。
それに付け加えて
「こういうトークセッションの場では観客の皆さんが、はてなと浮かんだかどうかを気にしている」
と。
記事を書くだけなら、自分で足りないところを補完すればいいが、トークセッションの場合は違う。
その場のみんなが話を聞いて理解し、場に一体感が出ないと盛り上がらない。
「僕にとっての「トークの相手」は、ゲストだけでなく、話を聞きにきて頂いた皆さんも「トーク相手」だから。
みんなが楽しんでいるということを気に掛けている。」
観客あってのイベント
イベントに慣れてくると、主催者の気が緩んでくる。
特に定期イベントであれば、お客さん固定化してくるところがある。
変に馴れ合いがあると、イベントは台無しだ。
そうならないためにも、お客さんのことを考えなければいけない。
新條氏に聞いた話は、すごく当たり前のことかもしれない。
そのくらい僕にも自然と理解できた。
ただ、それを実践するのは当たり前にできるだろうか。
お客さんのこと、観客のことを考えて、そこに「はてな」があることをチェックしながら、より深い質問をしていく。
お客さんが少人数であればあるほど、その感度を高めておかないといけないのだろう。
ごくごく自然にトークを引っ張っていた新條氏。
そこには常に3番目の相手がいることを意識している結果なのだろう。
僕にとっての「相手」は誰だろうか。
どの「相手」を楽しませることが僕自身のミッションなんだろうか。
相手は一人とは限らないから。
相手を見つける「眼」を、もう少し鍛えたいものだ。