ちゃんとやれ!

副業フリーランサーの飲み屋話

朝からおばあちゃん

始発の電車は苦手だ。早起きが苦手なわけじゃなく。

乗客が横柄だ。僕もそう見られているかもしれない。

 

眠たい時間、空いている車内、旅行に出かけるのか大きな荷物を抱えている人。

通勤時間のような秩序はなく、比較的自由な時間が流れている始発の電車。

張りつめていない空気のおかげで、なんとも言えない車内に仕上がる。

 

ある駅でおばあちゃんが乗ってきた。70~80歳くらいのおばあちゃん。綺麗な装いで、どこかに行くのか、小さめのキャリーケースを持っていた。

 

僕の一つとなりの席に腰を掛ける。ご丁寧に「失礼しますね」と声を掛けて下さった。

それだけで、朝からいい気分。始発の車内だからこそ、その優しさが温かい。

 

目的の駅に到着したのだろう。読んでいた本をカバンにしまい、颯爽と下車していった。

 

朝一番の電車は不思議だ。

街中に向かう電車なので、始発で帰る酔っぱらい客は少ない。それでも完全にオフになっている人はたくさんいる。

一方で、きっちりスイッチが入っている人もいる。

 

ダラダラしていても迷惑を掛けないくらい車内は空いているのに。

きっちりしている人は、見ていて気持ちがいいし、なんだか元気をもらうことができる。

 

きちんとしていたら元気をプレゼントできるのであれば。僕がそうやって振る舞ったらいいんだろうな。なんて思っていたら、乗り換えの駅に到着した。