9月末、上期をしめなきゃいけないこのタイミング。
営業も、経理も、大忙しだった。
精算しなければならない案件がいくつかあったので、経理の担当者さんにお願いに行くことに。
「すみません、精算をお願いしたいので書類、置いておきますね」
と声をかけたら。
「うるさい!順番に処理してるんだから」と怒られてしまった。
僕よりもずいぶん先輩のおじさんに。
なんか嫌な気分だな、置いておくだけじゃアレだから、声を掛けたのに。なんて思っていた。
でも、絶好調な風が吹いている気がしている僕は、「まぁいいや、そんなことはさっさと忘れよう」と切り替えることができた。
絶好調モードじゃなかったら、ちょっと喧嘩腰になっていたかもしれない。
10月になって。
その先輩は会社に来なかった。体調不良だという。周囲の人たちは「そういえば、昨日はツラそうだったもんね」なんて言っていた。
名前くらいは知っている間柄だけど、フロアも違うし接点も少ない。
そんな先輩は、体調が悪い中で半期末の仕事を処理していた。
長く経理で働いている先輩にしてみれば、この月末は、なんとしても出勤しなきゃいけなかったのだろう。
忙しく、体調も悪ければ、理性でコントロールしづらくなる。僕だって体調が優れないときは、周囲に嫌な思いをさせてしまっているかもしれない。
その、たった1回の判断で、全てを決めてしまうのはもったいないと思った。
体調が悪かったことにも気付かなかったし。
輪ゴムがピンと張ったような日々を過ごすのは嫌だけど、たまに、この日だけは頑張らなきゃという日はある。
大切なプレゼンの前、大きなイベントの前、そして自分が所属している部署が忙しくなるとき。
半期末の月末、経理部門であれば尚更のこと。
そうやって頑張っている姿はかっこいいし、それに気付かない自分はカッコ悪かった。
スピード選択も大事、損切りも大事。
だからといってそこに力を注ぎすぎると、大切なものを見落としてしまいそうだ。
僕が元気なタイミングなら、できるだけ大きな器で優しく接したいと思った。