電車には緊急列車停止装置がついている。
運転士が、運転中に意識を失ったり居眠りしてしまった際に、自動的にブレーキが掛かる装置だ。
エマージェンシーブレーキの頭文字を取って、EB装置などと言われる。
一定速度以上で走行している列車において、運転士がマスコン(自動車のアクセルに相当するもの)やブレーキなどの操作を一定時間しない場合にブザーが鳴る。
そのブザーが鳴っている間に、EBリセットスイッチを押したり、マスコンやブレーキの操作をしなければ非常ブレーキがかかるのだ。
加速や減速の操作をしていれば運転しているとみなされ、EB装置は働かない。例えば惰性のまま走り続けているような場合、運転しているのか、気を失ったり居眠りをしているのか分からないので、EB装置が作動するようになっている。
何かに似ているな、と思っていたのはスクリーンセーバーだ。
PCを一定時間操作しなかった場合、画面の焼き付きを防ぐためにスクリーンセーバーが作動する。もっとも液晶画面になってからは、スクリーンセーバーとしての役割よりも、パスワード保護の役割の方が大きいのかもしれない。
会社の規定で10分のスクリーンセーバーとパスワードロックが定められている。
が、複数台のパソコンを与えられている僕にとっては、作業しないパソコンがあるのも事実。ダッシュボードとしてモニタリングしているマシンもある。
無操作のまま10分経つとパスワードロック付きのスクリーンセーバーに切り替わるのだが、その瞬間に何か操作をすれば復帰するのだ。
画面の表示が変わった一瞬、数秒であれば間に合う。
スクリーンセーバーでロックされると、パスワードを入力して復旧させなければいけない。それが案外面倒なのだ。
画面が切り替わりそうになった一瞬で、マウスやキーボードを操作する。
そんなことをしながら、あぁこれはEBリセットと同じことをしているんだ。。。と思ったものだ。
在宅ワークになってからは、パスワードロックだけでなく、VPNの接続も切れてしまう。
復旧に今まで以上に手間がかかるように。無駄にマウスやキーボードを動かして、スクリーンセーバーをキャンセルすることもできるのだが。
どこかでパソコンとの戦いのように、勝負している自分がいるのも事実。
くだらないことだな、と思いながらも。EB装置のように今日もスクリーンセーバーと戦うのだ。