僕の毎日はハンググライダーのようなものだ。
ハンググライダーに乗ったことなんてないけれど、そう思っている。
インターネットで見つけた動画。TEDxHIMIで田中栄一さんがしゃべっていた。「見えない風のつかみ方」
田中さんはハンググライダーの日本チャンピオンとのこと。
山の上からハンググライダーを担いで駆け下りて、風をつかむ。飛び立ったら上昇気流を探して、もっと高いところまで昇っていく。無色透明の風をつかんで、ぐんぐんと進んでいく。
田中さんの話を聞きながら、「それって僕の毎日だ」と思った。
起きたらハンググライダーを担ぐ。山の斜面を駆け下りる。飛び立つ。風をつかむ。上昇気流をつかむ。
僕の気持ちの中では毎朝、山の斜面を駆け下りている。毎日、毎日。雨でも台風でも駆け下りている。調子よく飛び立てる日はいいけれど、いきなりずっこけてしまうこともある。
前日の疲れ、機材のメンテナンス。いろんな理由で、朝一番に山の斜面を駆け下りれないときもある。
無事に飛び立ったかと思うと、バランスを崩したり、思ってもいない方向に進んでしまったり。
どこにあるか分からない、ハンググライダーのプロならわかるのだろうけど、無色透明の上昇気流を探す。ゴールに向かうために。
上昇気流が見つかれば、ふわっと身体が浮き、どんどん上空へ連れて行ってくれる。気持ちい、それは本当に気持ちいことなんだろう。
目線が高くなったところで、ゴールの方向へ向けて。
もし上昇気流が見つからなかったら。滑空時の勢いでゴールまでいければいいのだけど。不時着だ。
今日はもう無理。そんな気分のときだろう。
地表が近づくにつれて焦りがでてくる。本当はゴールまで行きたいのだから。
上昇気流を探すけれど、見つからないときだってある。
ハンググライダーをやったことはないけれど、田中さんの話を聞いて、なんとなくそんなイメージをした。
毎朝、ちゃんと斜面を駆け下りているかな、頭の中はちゃんと整理できているかな。変なところに力が入っていないかな。その日の天気はしっかりチェックしたかな。空気をうまくつかめるかな。
毎朝、ベストコンディションで山のてっぺんに立ちたい。風をしっかり見極めて、軽やかにテイクオフ。
街の様子を眺めるだけの余裕もあり、上昇気流を狙ったところで捉える。ゴールまで確実に行けるように。
綺麗に着地できるか、目的地まで行けたか。地面に足が着いたところで、僕の一日は終わる。
ハンググライダーでも、今日の僕でも同じなんだ。
見えない風をつかむために、毎日の積み重ねを大事にして。
見えないものに、もがき苦しむのではなく、見えないものを、最大限に活かしたい。
僕の毎日は、ハンググライダーなのだから。
日本全国フライトエリアガイド―パラグライダー、ハンググライダー、モーターパラ・ハング
- 作者: パラワールド編集部
- 出版社/メーカー: イカロス出版
- 発売日: 2005/10/21
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る