自分の中に大切にしている軸があるとしたら、その一つは「インタビュー」だと感じている。インタビューすることで、リアルな生の情報に触れられること。相手の頭の整理整頓をお手伝いできること。
後者については、インタビューさせて下さった方に言われることが多い。
「本当に自分が何を追い求めていたのか、明確になりました」
「自分でも気付かなかった気持ちや思いを、改めて感じることができてよかったです」
インタビューをすることで、インタビューされる側は、質問に対して答えようとする。その中で過去の気持ちと向き合い、答えを導いてくださる。
では、どんな質問でも相手は過去の自分と向き合ってくれるのだろうか。
それは、インタビューする側の質問の仕方によることが大きいと感じている。
インタビューは日常のそれ
インタビューというのは特別なものじゃない。芸能人や文化人だけがされるのではなく、日常の中にきれいに溶け込んでいるものなのだ。
電気屋さんでの接客。保険の営業。
それらもインタビューなのだ。あなたの話を聞いて、回答をもらう。新聞や雑誌の記事にはならないが、インタビューなのだ。
電気屋さんでの接客、新しい保険の勧誘。その中で回答しやすいと思った営業スタッフと、面倒だなとおもった営業スタッフがいるだろう。
その違いが取り調べ型か雑談型か、という違うなのである。
取り調べ型と雑談型
インタビューや取材、大きく分けると2種類のやり方がある。
- 取り調べ型
- 雑談型
取り調べ型というのは、まるで刑事ドラマかのように「○○はなんですか」「○○のときどうしてましたか」「○○はどう思いますか」と、一方的に質問を投げかける。
それに対して回答をするのだけれども。アンケートを答えるかのようなインタビューだ。
取り調べ型のインタビューはつまらない。アンケートを答えればいいのであれば、好きな時間に好きなように回答したいもの。
わざわざ時間を合わせてインタビューされなくていいのだ。
雑談型というのは、本当に雑談をする。その中で相手にそれとなく質問をぶつけていくスタイル。
居酒屋で仲間と飲みながら、例えば趣味のゴルフの話を聞いているとき。興味があればあれこれ質問するだろう。そういう自然な流れの中で、欲しい情報を得ていくのが雑談型だ。
どちらもメリット、デメリットがある
取り調べ型や雑談型。どちらもメリット、デメリットがある。
取り調べ型の場合、会話が膨らまない。インタビューされる側が話すことが好きでなければ会話が膨らまない。
逆に雑談型の場合、会話が膨らみすぎてしまうこともある。膨らみすぎてしまった場合、密度が薄くなってしまったり、どうやって話を組み立てていこうかと、インタビューする側が迷子になってしまうことも。
また、情報が曖昧になってしまうことがあるのも、雑談型のデメリットだったりする。
正確な情報が欲しいとき、例えば何年前に創業したとか、営業時間は何時からだとか。そういうときは、取り調べ型のようにストレートに質問をぶつけたほうがいい。
ただ、相手の気持ちを聞きたいとき、その時は相手の頭の中に想像させてあげられるような材料を放り込んであげること、過去の思い出や自分の思い出を投げかけてみて様子をみる。まさに雑談型で話を聞いたほうがメリットがたくさんなのだ。
取り調べにならないインタビューのやり方
つまり取り調べにならないようなインタビューをするのであれば。
雑談の中で、大事な要素をピックアップできるようにすればいい。
居酒屋での1コマのように。興味があると次々に聞きたいことがでてくる。それを普段の会話かのように相手に投げかけてみるだけ。
「インタビューだ」と張り切らないほうが、案外会話が盛り上がって相手の気持ちを、考えを教えてもらえるものです。
相手に興味を持って、愛を持って話しかけること。それを組み立てていけば、取り調べにならないインタビューができるはずです。