ポエトリーリーディング
自作の詩を読み上げたり、詩を朗読するアート形態。
ご縁があって、ポエトリーリーディングに参加した。
そこで感じたことは「オレ、何やってるんだろう」だった。
ネガティブなイメージでもあるし、ポジティブなイメージでもあった。
3分ちょっとの時間をもらい、30人弱の皆さんの前で叫んできたけれど。
雰囲気は古舘伊知郎さんの独演会っぽさがあったのかもしれない。
テンポよく、たたみかけていくようなスタイルだ。
練習の時に気付かなかったのは、誰に向けて話すのか、ということ。
練習の時には自分がターゲットだった。自分が思い描いているトークが、言葉でちゃんと言えているか。そればかりを気にしていた。
身振り手振りをどうしようか。音楽がこのトラックになったら、このセリフを言う。
そんなことばかり考えていた。
本番、皆さんの前で、第一声を発した時。それを受け止めるものがなかった。
誰かに語り掛けるわけでもなく、声が奥の方まで飛んで行った。
途端に対話する相手がいなくなり、その場は一人芝居になる。
ボールを取ってくれる人がいない中で、千本ノックをする。そんな感じだ。
開始15秒で頭の中は冷静になり「オレ、何やってるんだろう」と思ってしまった。
大勢の前で話すって、こういうことなんだ。暖簾に腕押し状態だ。
ただ、その気持ちは逆向きにも感じることができた。
何やっているか分からない自分。だけど、そこでギブアップをするつもりもない自分。
一瞬でスイッチが入った感じだった。メーターが振り切れてブーストがかかる。
自分がやっていることにワクワクしてきた。
先を歩く先輩たちはこの風景を見てきたんだ。
人前で話すってことは、こういうことなんだ。
それを実感することで、「今のオレ、何やってるんだろう」なんて思うこともできた。
もっとちゃんとやれ!って言われているような。
とにかくやってみなきゃわからない。やってみてもわからない。だからこそ、やってみることが大事なんだろう。
やる前に思っていた「こんなものが得られるかな」なんてものは、一つも得られなくて。
やる前に思っていなかったものばかりが手に入った。まったく不思議なもの。
会場に行く前に、友人のシェアハウスで初めてお会いした方に「CD焼いてください」なんて無理なお願いをしながら。みんなに助けられたポエトリーリーディングでした。
ちなみに、その時に使ったBGMはこちら。タイトルも素敵で「Alone in the floor」だってさ。