そういえば本屋に行かなくなった。別に本は嫌いじゃないし、雑誌もよく買っていた。
最近、本屋に行かなくなったのは。
単純にライフスタイルの変化だった。僕が本屋に通っていたのは、おまけの行動だったのだ。
僕の中で「本屋に行く」というのは、夜の暇つぶしだった。自宅からクルマで30分ほど離れたところにある本屋は、25時までやっていた。駐車場も広く、文房具やちょっとした雑貨も売っていた。
平日の夜、ちょっと暇ができたらドライブしていた。目的地が本屋だっただけだ。
本屋に行くのは、知的な感じがする。後ろめたさがない。これがゲームセンターだったら、またちょっと気持ちが違っていたのかもしれない。
本屋に行き、初めましての雑誌や、続きが気になっていたコミックなどを買う。
そこに欲しいものがあるわけではなく、なんとなくシンパシーを感じる本があったから。
会社から帰ると20時頃、ゴハンを食べて落ち着いたら21時。まだまだ寝るにはもったいないなーって。
当時は副業すらやっていなかった。とにかく「暇」なのだ。
家にいてもすることがないので、ちょっとでかけようか。と。
本が特段好きなわけでもなく、文学少年でもなかったので、たまたま夜遅くまでやっている本屋さんが、ドライブするのにちょうどいい距離にあったに過ぎない。
都会に引越し、クルマを持たなくなったらどうなったか。
本屋に行くことはなくなった。
都会でアクセスの良い本屋さんはどこにあるのか。ショッピングモールの中にある本屋は21時で閉まってしまう。駅ビルにある本屋さんも同様だ。
通勤経路に本屋さんはなく、家に帰ってから出掛けるにも、公共交通機関だと面倒に感じてしまう。終電も気にしないといけないから。
平日の夜、ちょっと出掛けてみようか。と思うことが無くなったことが、本屋さんにいかなくなった最大の原因なのだ。
気持ちを切り替えるのにちょうどよかった本屋さん、そういえばここ数年、満足に滞在していないような気がする。