「本当にそうだろうか」
業務を進めるにあたって「本当にそうだろうか」と考えることが多い。
上司に指示された通りにやることは正しいのだろうか。伺いを立てずに勝手気ままに変更するわけではない。指示書通り、言われた通りに進めることが大事な一方で、それが本当に正しいかどうかを吟味する必要もある。
時には物事の捉え方や考え方を逆にする必要もあるのだ。
業務改善や運用構築を担当するとき、いかに各パートの業務をスムーズに進められるようにするか、と考える一方で、本当にその業務は必要なのかを考える必要がある。
例えば「社内申請書のフォーマットを使いやすくしよう」と、業務改善をするとしたら。
見栄えがいいフォーマット、入力ミスが無くなるフォーマット、別のデータベースを参照し、入力工数を減らすフォーマットなどなど、いろんな案が出てくる。
その中で大切なのは「その申請書、いるんだっけ?」という考え方だ。
その内容を申請書ベースでやらなきゃいけないことなのか、そもそも単独の申請書として必要なのか。何かと統合できないか、その対応自体を縮小できないか。
などなど、少し下がった視点で考える必要がある。
その対応を止めてしまう、というのも立派な選択肢なのだ。
止めてしまうことで、その対応をしていた人の仕事が減る。自分の役割が無くなってしまう、と抵抗する人もいるかもしれない。
クオリティを保ちつつ、できるだけ手軽にしていく中で、これは不要と切り捨てることも大事なことなのだ。
業務改善や運用構築に向かない人もいる。
何か頼まれごとをされたとき、素直に受け入れてしまう人には向かないだろう。面倒だとしても、工数が増えたとしても、言われたことをそのままきっちりやらなきゃ、と思う気持ちが、改善を阻んでしまう。
怒られない程度に手抜きをしてサボりたい人にピッタリということだ。
クオリティを落とさないでサボるためには、運用の見直しをしたり、エクセルでマクロを書いたり、バッチファイルを配布したり、と、事前にちょっと頑張らなければいけないシーンがでてくる。
その頑張りと、その後の手抜きを天秤にかけたとき、「よし、先に頑張っておこう」と思うから、業務の改善ができるのだ。
口ごたえのように「それ、本当にいるんですか?」なんて言う人がいるけれど、その視点を持つことは非常に大事なこと。
日常に潜む不要なもの、手間のかかるもの、目に見えづらいものを可視化して、やらない判断をするのか、運用手順でカバーするのか、システム的なカバーをするのか、で業務は改善していくのだ。
現状把握、現状分析から取捨選択をし、新しい流れを作る。
その時にズバっと判断できるよう、たまには少し遠いところから全体を眺める必要がある。
とりあえずは3歩くらい下がってみて全体を眺めてみること。自分の中にいる面倒くさい自分を呼び起こして、目の前のそれに文句を言ってみること。
そうやって業務改善をしていけばいいと思っている。
視座を変えたり、視点をずらしたり。ぜひ3歩くらい下がって、大きな視点で物事を捉えてほしい。目の前のそれを改善したところで、大幅な効率アップにはならないのだから。