3時間、ポートレート撮影、10,000円
マジかよ、高いな。
と思ったのは2015年の僕。
取引先にいた40代の男性が、写真を撮ってあげるサービスをインターネットで募集していると聞いた。その時の単価が「3時間くらいで1万円」だった。
素直に感じたのは「高い」こと。というか、おじさんに撮られるのにお金を払うのか!!とも思った。
それまでは、撮る側は参加費を支払ってモデル撮影会に行く、みたいなパターンしかしらなかったからだ。
というか、インターネットで募集して集まるって、どんな人たちだよ。って。全く理解できなかったのだ。コストにしろ、募集方法にしろ。関わらないほうがいい人だ!とも思ったくらい。
時は流れ2020年。インターネットの世界にどっぷりと入ってしまった今、3時間のポートレートが10,000円だとしても。全く抵抗はないし、タイミングによっては安いんじゃない??とも思うことが。
インターネットやSNSでの集客も、王道中の王道だ!と思うようになった。
当時から、インターネットでの出会いや、オフ会などについては、全く抵抗がなかったのだけど、サービスを売るということに抵抗があったのかもしれない。
しかも、ただのおじさんが。
実際に、どれくらいの実力があるのか、クオリティなのか、というのは知らない。作例や普段の活動を見ていないから。
ただ、取引先のあの人が、それをやっている。と聞いただけのこと。
何かをしてもらうときの単価や、サービス内容なんて考えたことがなかった。例えば時給1,000円で働いていたら、1,000円の価値しか見えなかったから。
それは「ザ・会社員」という考えなのかもしれない。
周囲が、まさにそういう人ばかりだったから。
でも今は違う。フリーランスの方、経営者の方、いろんな方のいろんな考えを知ることができる。
それは、インターネットのおかげだと思った。
ツイッターを始めたり、情報発信をしていくなかで、こんなに面白い人たちがいるのか、と知ることができた。
年齢や経験、住んでいるところや環境など、いろんな「違い」をバランス良く渡っていく人が、世の中にはたくさんいたのだ。
今になってインターネットでの単価のことや、集客のこと、ニーズの把握などは分かるようになった。
たまたま2chから、ブログという世界を知り、そこからSNSやオンラインの○○、みたいなところに足を踏み入れるようになったから。
住む世界が違うと、相手のことなんて全く理解できない。単価ひとつとっても、高いか安いか、自分の中に基準すらなかった。
住む世界が変われば、新しいモノの見方ができるみたいだ。世界を変えないまま、安定の道を歩いていたら、3時間1万円のポートレート撮影については拒否反応を起こして、シャットアウトしていただろう。
分からないものに出会った瞬間、それをシャットアウトしないで、違う視点から見られるように。この経験を活かしていきたいと思う。