二毛作ジェルの話
ものを伝えるために1番重要な事は相手がどう思うかということだ。
特にタイトル、見出し、キャッチコピーなど比較的短い言葉には書き手の強い気持ちが込められている。
ただあまりにも短いので物事がちゃんと伝わらないことも多い。
また、書き手が考えに考えたタイトルやキャッチコピーと言うものはストレートに気持ちが伝わらないこともある。
広告のマーケティング、キャッチコピー等の話でよく取り上げられるものがこれだ。
「二毛作ジェル」
これは男性向けのヘアスタイリング剤の名前だ。
髪の毛をセットすることだけでなく、髪に育毛成分を与えることから、この名前になったのだろう。
この名前からどんなことを想像するだろうか。
ヘアースタイリングと言うカッコつけた商品に「二毛作ジェル」とは、ちょっと田舎くさい印象を受ける。
髪の毛、どんな整髪料でセットしているのと聞かれ、自信を持って「二毛作ジェルだよ」言うのは恥ずかしい。
ただこの名前、構成だけを見るととてもよく考えられている。
2つの役割を持つこのスタイリング剤。
また髪の毛に使うと言うこと。
この2つを取り入れるなら「二毛作」はアリだ。
シャレが効いてていいじゃないか。
ただターゲットに対する意識は低かったのかもしれない。
この名前のダサさは致命的。
自己満足で終わってしまっている。本当に相手のことを考えて付けた名前だったのだろうか。
似たようなネーミングのものとして「省エネルック」が挙げられる。
かつて大平内閣が、オイルショックの1979年に提唱した。
しかし「省エネルック」は不発に終わった。
だって名前がダサいんだもの。
もちろん、これが全ての原因ではないが、名前がダサいんだもの。
時は流れ2005年、小泉内閣になると、夏場に軽装の人がチラホラと。
スーツのジャケットを着ない人、ノーネクタイの人が増えた。
これをなんというか、ご存知のとおり「クールビズ」である。
目的としては夏の暑い時に軽装になろう。
省エネルックも、クールビズも目的は同じなのである。
二毛作ジェルにしても省エネルックにしても、この漢字とカタカナが混じったネーミングと言うのは非常に難しい
コピーを考える人、文字を書く人にとっては絞りに絞って考えた力作なのだろう。
ただ相手に伝える相手が理解するという点においては力不足だったのかもしれない。
特に名前、タイトル、コピーなどは非常に短く凝縮されているので、少しでも認識が違うと大きな誤解を生んでしまう。
ブログだって、文章だってそうだ。
たとえ文字が長くなっても、相手のことを考えて作らなければ誤解を生んでしまうことになる可能性がある。
文章書くときも誰に対して誰が、何を伝えたいのか、ということは、必ず意識しなければならない。
そうでなければ、大きなすれ違いを生んでしまうからだ。
この文章は何を伝えたかったのだろうか。
何を伝えていいのか分からないことを伝えたかったのかもしれない。