おもしろ学校って何??
昔の仕事のつながりで「おもしろ学校」というものに参加してきました。
現役の小中学校の先生が、勉強することの楽しさを教えてくれる授業です。
授業をするのは現役の先生
授業を受けるのは大人ばかり。
先生が大人の生徒に、普通の授業を90分ほどしてくれるんです。
今回の先生は
愛知県岩倉市立南部中学校の校長先生。
校長先生が社会の授業をしてくれました。
テーマは「人と自然のかかわり」
90分の授業は2部構成で、どちらも非常に興味深いものだった。
先生ってすごいな、改めて思うことばかり。
90分間のプレゼンでしょ、授業って。
いかに身近な話題から想像を膨らませて、どうやってゴールにたどり着くか案内してくれる。
授業の構成やしゃべりかた、キッカケ作りや時事問題などを、本当にうまく織り交ぜていた。
やっぱりすげーと思う。
東京湾と鹿児島湾についての質問!!
面積が、東京湾:1,380平方km 鹿児島湾:1,130平方kmと同じような大きさ。
大きさは同じでも漁獲量が違う、それはなぜか!!!
東京湾の漁獲量は20,000トン強 鹿児島湾の漁獲量は8,000トン弱。
東京湾のほうが約3倍も多く魚が獲れるのはなぜか
<東京湾>
<鹿児島湾>
海から川へ
東京湾には多くの川が流れ込む。
多摩川、荒川、江戸川など有名な川が10以上もあるだろう。
それに比べて鹿児島湾は??
もともと火山が有名な鹿児島、土地の性質も火山よりなんでしょうね。
流れ込む川も少なく、土地もやせているとのこと。
川から森へ
川があれば魚が獲れるのか、そうでもないらしい。
森の栄養が川に流れ込み、それが海にたどり着く。
腐葉土に含まれるフルボ酸というものが、水の中の鉄と結びつき植物プランクトンに取り込まれる。
それが動物プランクトンを呼び、小魚を呼び、大きな魚を呼ぶというわけ。
知らないこと、気付かされることだらけ
小学校や中学校の社会で習うことかもしれないけど、あまりにも衝撃だった。
もっと単純なものだと思ってたけどそうじゃなかった。
大人になると短絡的に考えがち。
川があるからでしょ、ってね。
それだけじゃなくて、さらにもう一歩、もう一歩と考えることが大事なんだな。
勉強はするものじゃない、したくなるもの
「女王の教室」というドラマのワンシーンで先生が答えた言葉。
生徒に「なぜ勉強はしなければいけないか」と問われ、「勉強はするものじゃなくて、したくなるもの」と答えた。
まさにその気持ちが、このおもしろ学校だった。
どんどん興味が沸いてくる、森と川と海の関係、特に腐葉土に含まれる「鉄」が重要ということも教えてくれた。
後半の授業では、CMで一躍有名になった「べた踏み坂」と「もののけ姫」の関係など、どんどん授業に吸い込まれていった。
めちゃめちゃ勉強したくなる。
もっともっと色んなものが吸収したくなった。
久しぶりに授業を聞いて、ノートをとって、頭を働かせて。
やっぱり思うのは、学生時代にもっと勉強しておけばよかった。
ということだ。
こんな本もあるけれど
畠山重篤さんの本に似たようなことが書かれている。
もしこの本に先に出会っていたら、そこまで興味が沸かなかった。
僕は先生の、おもしろ学校の授業を受けたからこそ、この本を読んでみたいと思うようになった。
東京湾と鹿児島湾、森から川へ、川から海へと覚えたところで、出世するわけでもなければ、ハナ丸をもらえるわけでもない。
でも、そういったところに興味を持つこと、勉強したくなること。
そんなキッカケをもらえた非常に有意義な時間だった。
高橋校長先生、どうもありがとうございました。
次回予告
2016年6月15日(水) 19:00~20:30
名古屋市中村区名駅 ウインクあいちにて。
犬山市立城東中学校の美術の先生が、
テーマ“現代アートの見方ともの作りに挑戦”
3回目の「あいちトリエンナーレ」を間近に控え、「現代アートはわかりにくい。」とよく聞きます。そこで、現代アートの見方と歴史を知っていただき、楽しく「あいちトリエンナーレ」を鑑賞するためのヒントを学びます。また、中学校で学んだ「美術の基本」を思い出してもらい、人々を感動させるエッセンスを紹介します。そして、最後に短時間でもの作りを体験します。
と、また興味深い授業をしてくださいます。
気になる方は、こちらまで